「SEO対策はしているのに、ChatGPTやGoogleのAIモードで質問しても自社の名前が出てこない」という中小企業や個人事業主の担当者に向けた記事です。最初にお伝えすると、AI検索に紹介されることを保証する方法はありません。ただし、AIがページを読めない、事業者の情報があいまい、他社と同じ一般論しか書かれていない、といった「紹介されにくい理由」は自分で減らせます。その手順を、各社の公式資料に沿って整理します。
AI検索対策の土台は「読める・分かる・選ばれる理由がある」の3つ
GoogleのAI Overviews(AIによる概要)やAIモードは通常の検索インデックスを土台にしており、Googleは特別な最適化は不要と説明しています。ChatGPTやClaude、Perplexityも、それぞれの検索用クローラーがページを読めることが出発点です。裏技を探すより、次の3点を順に整えるのが近道です。
ホームページをこれからAIで作る場合の全体の手順は、AIでホームページを作る方法【2026年版】にまとめています。この記事は、公開したサイトをAI検索にも正しく伝えるための仕上げ編です。
「AIに紹介されない」と感じたら最初に知っておきたい前提
LLMO(大規模言語モデル最適化)、GEO、AEOといった呼び名もありますが、いずれも業界の言葉で、公的な基準があるわけではありません。GoogleはAI機能でも従来のSEOの基本が有効だと説明しているため、SEO対策の基本(AI検索・技術・コンテンツ)がそのまま土台になります。そのうえで、次の前提を押さえておきましょう。
どの対策も「紹介」を約束しない
Googleは、AI機能を含め、インデックス登録や表示は保証されないと明記しています。OpenAIやPerplexityの公式資料も検索用クローラーの許可を案内するだけで、紹介の採用基準は説明していません。「必ずAIに載る」とうたうサービスには注意が必要です。
AI検索ごとに情報の集め方が違う
Googleは自社の検索インデックスを使い、ChatGPTやClaude、Perplexityはそれぞれの検索用クローラーなどで集めた情報を使います。あるAIで紹介されても、別のAIでは紹介されないことは普通に起こり得ます。
回答は質問の言い方や時期で変わる
同じサービスでも、質問の言い回しや会話の流れで回答や紹介先は変わることがあります。一度出なかっただけで失敗と判断しないことが大切です。
AIが情報を得る経路は「学習」と「回答時の検索」の2つ
AIの情報源は、過去に集めた文章でモデルを訓練する「学習」と、質問を受けたときにウェブを検索してページを読み、それを根拠に答える「回答時の検索」(グラウンディング)に分かれます。営業時間や料金のように変わる情報を正しく伝えたい中小企業にとって、重要なのは後者です。OpenAIやAnthropicは、学習用と検索用のクローラー(ウェブを巡回してページを集めるプログラム)を分けて公開しており、この違いが後の設定の判断基準になります。
主なAI検索がホームページの情報を見つける仕組み
代表的なAI検索サービスの仕組みを、各社の公式資料から整理しました。User-agent(クローラーの名前)や仕様は変わることがあるため、設定前に最新の公式資料を確認してください。
| サービス | 情報の集め方(公式資料の要旨) | ホームページ側でできること |
|---|---|---|
| Google AI Overviews・AIモード | Google検索のインデックスと品質の仕組みが土台。技術要件は、インデックス登録済みでスニペット付きで表示できること | 通常のSEOを整え、Search Consoleの「検索の生成AI」設定で除外していないか確認する |
| ChatGPT検索(OpenAI) | 検索結果への表示にはOAI-SearchBotを使う。GPTBotは基盤モデルの学習用、ChatGPT-Userはユーザーの操作に応じたページ取得用 | OAI-SearchBotを許可し、OpenAIが公開するIPアドレス範囲を遮断しない |
| Claude(Anthropic) | Claude-SearchBotが検索結果の品質向上のために巡回。Claude-Userはユーザーの質問に応じてアクセス。ClaudeBotは学習用 | Claude-SearchBotとClaude-Userを止めない |
| Perplexity | PerplexityBotは検索結果での表示・リンク用で、基盤モデルの学習用の収集には使わないと説明。Perplexity-Userはユーザー操作に応じた取得 | PerplexityBotを許可し、公開されているIPアドレス範囲も遮断しない |
| Microsoft Copilot・Bing | Bing Webmaster Toolsの「AI Performance」(プレビュー)で、CopilotやBingのAI生成の要約などでの引用状況を確認できる | Bing Webmaster Toolsに登録してサイトマップを送信する。更新の通知にはIndexNowも使える |
日本では、GoogleのAIモードが2025年9月9日から日本語で順次提供されています。総務省の令和8年版情報通信白書では、生成AIを使っている(過去に使ったことがある)個人は日本で58.8%でした(2025年度調査。この調査から15〜19歳を対象に追加し、20歳以上では52.2%)。AI検索の利用率を直接示す公的な統計は確認できませんでしたが、準備しておく価値はある、と編集部は考えています。
最初に確認する「AIに読まれる状態」:検索用と学習用のクローラーを分ける
最初に疑いたいのが、そもそもページを読めない状態です。robots.txt(クローラーに取得してよいURLを伝えるファイル)でAIをまとめて遮断していたり、サーバーやCDN(配信を速くする仕組み)のボット対策で検索用クローラーまで止めていたりすると、内容が良くても候補に入りません。
| 種類 | 主なUser-agent | 止めた場合に起こること |
|---|---|---|
| 検索用 | Googlebot、OAI-SearchBot、Claude-SearchBot、PerplexityBot | 各サービスの検索結果やAIの回答で表示されにくくなる、または表示されなくなる。Googlebotを止めるとGoogle検索全体に影響する |
| 学習用 | GPTBot、ClaudeBot、Google-Extended(robots.txt用のトークン) | 今後のモデル学習に使わないでほしいという意思表示になる。Google-ExtendedはGoogle検索への掲載や順位には影響しないとGoogleが説明 |
| ユーザー操作 | ChatGPT-User、Claude-User、Perplexity-User | ユーザーの依頼でAIがページを読むときの取得。Anthropicは止めると表示が減る可能性があるとし、OpenAIとPerplexityはrobots.txtが適用されない場合があると説明 |
AI検索での紹介を望むなら、検索用クローラーは許可しておくのが基本です。学習への利用を断りたい場合は、学習用だけを個別に止められます。ただしOpenAIは、OAI-SearchBotとGPTBotの両方を許可すると一方のクロール結果を両方の目的に使うことがあるとしています。Google-ExtendedはGeminiアプリなどでの検索情報の利用にも関わるため、止めるかは目的次第です。考え方と記述ルールはrobots.txtでAI検索・学習クローラーを目的別に管理する方法で解説しています。
次は、AI検索での表示は保ちつつ、学習用クローラーだけを止める場合の記述例です(説明用の例です)。
# 検索用クローラーは許可(AI検索での表示に関わる)
User-agent: OAI-SearchBot
Allow: /
User-agent: Claude-SearchBot
Allow: /
User-agent: PerplexityBot
Allow: /
# 学習用クローラーには使わせない意思を示す(任意)
User-agent: GPTBot
Disallow: /
User-agent: ClaudeBot
Disallow: /
robots.txtに個別のUser-agentを書いていなければ、User-agent: * のルールが適用されます。そこで Disallow: / としていると、検索用クローラーも含めて止まるので注意してください。変更の反映には時間がかかり、OpenAIは約24時間、Perplexityは最大24時間と案内しています。
robots.txt以外で「読めない」原因になりやすいもの
- 重要なページにnoindexやnosnippetを付けている(GoogleはAI機能での表示もこれらで制御すると説明)
- Search Consoleの「設定」→「検索の生成AI」でサイトを除外している(初期設定は掲載対象。除外しても通常の検索結果やAIの学習には影響しないとGoogleは説明)
- レンタルサーバーやCDNのボット遮断機能で、検索用クローラーやそのIPアドレスを止めている
- 料金表やメニューを画像だけで載せ、文字として読めない
- ログインしないと見られないページに重要な情報を置いている
- サイト作成サービスの「検索エンジンに表示しない」設定がオンのままになっている
レンタルサーバー側でも、AIボットのアクセス制御機能が出てきています。たとえばさくらインターネットは2026年2月10日、AIデータスクレイパー、AI検索クローラー、AIアシスタントの種類ごとにアクセスを制御できる機能の提供開始を発表しました。このうちAIデータスクレイパーの制限は、設定を保存していない場合、2026年3月17日から自動で有効になると案内されています。AIをまとめて遮断すると検索用クローラーまで止まり得るため、契約中のサーバーの設定状況と、種類ごとの意味を確かめてください。
会社名・所在地・サービス・料金を「ぶれない事業者情報」にする
AI検索の回答は、ウェブ上の情報をもとに作られます。所在地や対応エリア、料金の目安がどこにも書かれていなければ、AIはそれを根拠に紹介できず、見込み客も問い合わせを迷います。
Googleは、AI機能に関する案内のなかで、重要な内容をテキストで提供することや、ビジネスプロフィールなどの情報を最新に保つことを勧めています。生成AI機能向けのガイドでも、Googleビジネスプロフィール(Googleの検索やマップに表示される事業者情報)が、AIの回答とそれ以外の検索結果の両方での表示に役立つとしています。
| 項目 | ホームページで書く場所 | 一致させたい先 | 食い違いやすい例 |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | 会社概要、フッター | Googleビジネスプロフィール、SNS、ポータルサイト | 屋号と法人名、旧社名が混在している |
| 所在地・対応エリア | 会社概要、アクセス、サービスページ | ビジネスプロフィール、地図 | 移転前の住所が残っている、対応エリアがどこにも書かれていない |
| 電話番号・問い合わせ方法 | ヘッダーかフッター、問い合わせページ | ビジネスプロフィール、SNSのプロフィール | 古い番号のまま、受付時間が書かれていない |
| 営業時間・定休日 | アクセス、フッター | ビジネスプロフィールの営業時間・特別営業時間 | 年末年始や臨時休業が反映されていない |
| サービス内容・料金の目安 | サービスページ、料金ページ | ビジネスプロフィールのサービス・メニュー | 税込と税抜が混在、終了したメニューが残っている |
| 代表者・運営者 | 会社概要、プロフィール | SNS、名刺やチラシ | 担当者の交代が反映されていない |
「NAP(名称・住所・電話番号)をそろえる」という言い方を聞くことがありますが、Googleの公式ヘルプで確認できるのは「ビジネス名は看板などの実際の表記どおりに入力する」「情報を正確に保つ」という趣旨までです。表記をそろえるのは、利用者の混乱を防ぎ、古い情報が拾われる余地を減らすための、編集部としての推奨です。
飲食店や美容室など店舗の場合は、予約・地図・メニュー・Googleビジネスプロフィールの連携まで含めて、飲食店・美容室のホームページをAIで作る方法で手順を解説しています。
Organization・LocalBusinessの構造化データは「画面と同じ内容」で入れる
構造化データは、ページに書かれた情報の意味を、検索エンジンが機械的に読み取れる形で伝える記述です。Googleが推奨する形式はJSON-LDで、会社ならOrganization、実店舗や地域で営業する事業ならLocalBusiness(またはRestaurantなど、より具体的な種類)が基本になります。
Organization
組織の名称、ロゴ、URL、住所、連絡先などを伝えます。必須のプロパティはなく、当てはまるものはすべて追加するよう勧められています。設置場所はトップページか会社概要ページです。
LocalBusiness
必須は名称(name)と住所(address)です。電話番号、URL、営業時間(openingHoursSpecification)、位置(geo)、価格帯(priceRange)などが推奨されています。業種に合う、できるだけ具体的な種類を使うよう案内されています。
次は、地域で営業する事業者を想定したJSON-LDの例です。名称、住所、電話番号などは説明用の架空の値です。実際には<script type="application/ld+json">の中に記述し、すべての値をページに表示している内容と一致させます。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "LocalBusiness",
"name": "サンプル設備サービス",
"url": "https://www.example.com/",
"telephone": "+81-3-0000-0000",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"postalCode": "000-0000",
"addressRegion": "東京都",
"addressLocality": "〇〇区",
"streetAddress": "〇〇1-2-3"
},
"openingHoursSpecification": [{
"@type": "OpeningHoursSpecification",
"dayOfWeek": ["Monday", "Tuesday", "Wednesday", "Thursday", "Friday"],
"opens": "09:00:00",
"closes": "18:00:00"
}],
"priceRange": "5,000円〜30,000円"
}
WordPressではSEOプラグインやテーマが構造化データを自動で出力することがあり、二重に出ていないかの確認が必要です。HTMLを自分で書く場合はChatGPT・ClaudeにHTMLを書かせてホームページを作る方法、WordPressならWordPress×AIでホームページを作る方法を参考に実装場所を選び、公開前にリッチリザルト テストなどで確認します。書き方と検証手順は構造化データとは?JSON-LDの書き方と検証方法にまとめています。なお、Google検索のFAQリッチリザルトは2026年5月7日に終了しており、AI対策としてFAQの構造化データを足す必要はありません。
顧客の質問に、自社にしか書けない一次情報で答える
Googleの生成AI機能向けのガイドは、一般的な知識を超えた価値を提供する「非コモディティ」なコンテンツを勧めています。どこにでもある一般論はAIが自分でまとめられるため、特定のサイトを紹介する理由になりにくい、と編集部は考えています。
中小企業や個人事業主のホームページなら、次のような情報が一次情報(自社が直接持っている事実や経験)になります。どれも、実際の業務記録や事実に基づいて書けるものだけを載せてください。
| 項目 | 一般論だけの書き方 | 一次情報を加えた書き方 |
|---|---|---|
| 料金 | 料金は内容によって異なります | 料金が決まる要素、税込の目安、追加費用が発生する条件を具体的に書く |
| 対応範囲 | 幅広く対応します | 対応する地域と作業、対応しない依頼とその理由を書く |
| 依頼の流れ | お気軽にご相談ください | 問い合わせから見積、作業、支払いまでの流れと、各段階にかかる日数の目安を書く |
| 事例 | 多数の実績があります | 掲載の許可を得た事例ごとに、依頼の条件、課題、対応内容、写真を載せる |
| よくある質問 | どの会社にもある一般的なQ&A | 実際の問い合わせで多い質問と、自社の回答を載せる |
Googleは、AIに理解させる目的で文章を細かく分割したり、「AI向け」の文体に書き直したりする必要はないとも説明しています。読者の判断に必要な単位でページを構成し、見出しと本文で質問に率直に答えることを優先しましょう。独自の情報の作り方は独自性のあるコンテンツの作り方、顧客の疑問を抜け漏れなく拾う方法はコンテンツの網羅性とは?検索意図を満たす設計で解説しています。
運営者情報とE-E-A-Tは「誰が・どう作ったか」を見せること
E-E-A-Tは、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)の頭文字で、Googleが有用なコンテンツを説明するときに使う考え方です。Googleは、E-E-A-T自体はランキングに直接影響する要因ではないとしたうえで、なかでも信頼性が最も重要だと説明しています。
小さな会社なら、誰が運営し、どんな経験があり、どう連絡が取れるかが見えることが信頼の出発点です。Googleも「誰が(Who)」「どのように(How)」「なぜ(Why)」作ったかを示すよう勧めています。
運営者の透明性を示すチェック項目
- 会社概要に正式名称、所在地、代表者名、設立年や開業年、連絡先を書いている
- 代表者や担当者のプロフィールに、実際の経験や保有資格を書いている
- お知らせやコラムに、書いた人(または運営者名)と公開日・更新日を表示している
- プライバシーポリシーと、問い合わせ後の対応の流れを載せている
- ネット販売をする場合は、特定商取引法にもとづく表記を載せている
- 広告や提携がある場合は、その関係を明示している
反対に、AIで生成した顔写真を実在の担当者のように載せる、架空の資格を書く、といった行為は、Googleが欺瞞的な著者情報の例として挙げています。また、自動化やAIを大きく使ってページを作り、読者がその点を気にしそうな場合は、作り方の説明を検討するよう勧めています。
更新・サイトマップ・内部リンクで「いま正しい情報」へ導く
AI検索で古い営業時間や終了したサービスが紹介されるのを防ぐには、元になるホームページの情報を新しく保つことが基本です。日付だけを変えるのではなく、内容が変わったときにページを直し、そのことが分かるようにします。
変わる情報と掲載ページを一覧にする
営業時間、料金、休業日、サービス内容など変わりやすい項目と、載せているページを一覧にし、直し漏れを防ぎます。
ビジネスプロフィールやSNSと同じ日に直す
一部だけを直すと情報が食い違うため、変更は同じ日にまとめて反映します。
XMLサイトマップに正規のURLを載せて送信する
検索してほしいページのURL一覧(XMLサイトマップ)をSearch ConsoleやBing Webmaster Toolsへ送信し、ページの発見を助けます。送信しても掲載は保証されません。
内部リンクで重要なページへつなぐ
トップページからサービス、料金、事例、会社概要、問い合わせへ、内容が分かる文言でリンクします。Googleも、AI機能に関する推奨事項に内部リンクを挙げています。
必要に応じてIndexNowで更新を知らせる
IndexNowは、URLの追加・更新・削除を対応する検索エンジンへ知らせる仕組みです。Bingは、検索とAIの体験で情報を新しく保つ手段として紹介しています。通知が受け付けられても、インデックス登録は保証されません。
更新するかどうかの判断基準は情報鮮度とは?記事更新の判断基準と管理方法、サイトマップの作り方はXMLサイトマップの作り方・送信・エラー対処、ページ同士のつなぎ方は内部リンクの貼り方とサイト設計で詳しく解説しています。
llms.txtは必要?期待しすぎないための判断基準
llms.txtは、サイトの概要と重要なページの一覧をMarkdown形式でまとめ、サイト直下の/llms.txtに置くという提案です。2024年9月に公開されたもので、提案ページには、まだコミュニティの意見を募集している段階であり、サイトマップやrobots.txtの代わりではなく補完するものだと書かれています。
Google検索では使われない
Googleは、llms.txtなどのAI向けファイルを作ってもGoogle検索での表示や順位には影響せず、Google検索はそれらを無視すると明記しています。ほかのサービス向けに作ることは問題ないとしています。
扱いは公式に確認できない
OpenAIやAnthropicのクローラー説明ページには、llms.txtについての記載は見当たりませんでした。使わないと明言しているわけでもないため、効果は分からない、というのが現時点で言える範囲です。
編集部の判断としては、優先度は低めです。作る場合は、ホームページに書かれていない情報を載せない、ページを更新したらllms.txtも直す、という2点を守ってください。それよりも、この記事で挙げたクローラーの許可、事業者情報、一次情報を先に整えることを勧めます。どれも自社で実行でき、AI検索以外の検索や問い合わせにも役立つためです。
AI検索での紹介状況を確かめる方法
AI検索での表示は、通常の検索順位のように1つの数字では分かりません。公式の計測機能と、自分で質問して確かめる方法を組み合わせます。
| 確認方法 | 分かること | 注意点 |
|---|---|---|
| Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート | AI OverviewsとAIモードでの表示回数を、ページ・国・日付・デバイス別に確認できる。2026年8月31日に全世界のサイトへ公開 | AI機能での表示が少ないとレポートが出ない場合がある。通常の「ウェブ」検索のデータにも含まれるため、2つを足し合わせない |
| Bing Webmaster ToolsのAI Performance | Microsoft CopilotやBingのAI生成の要約などでの引用数、引用されたページ、引用のきっかけとなった検索語など | パブリックプレビューの機能。引用数はクリック数や問い合わせ数とは別の指標 |
| AIに直接質問する | 見込み客が使いそうな質問で、自社が紹介されるか、情報が正しいか | 回答は言い回しや時期で変わる。一度の結果で判断しない |
| アクセス解析の参照元 | AIサービスからの訪問があるか、訪問後に問い合わせへつながったか | 参照元が記録されない訪問もある。表示のされ方は解析ツールによって異なる |
Bing Webmaster ToolsのAI Performanceは2026年2月10日にパブリックプレビューとして発表され、6月16日には引用のシェアなどを見る機能が追加されました(順次展開)。ChatGPT、Claude、Perplexityのクローラー説明ページには、サイト運営者向けの計測レポートの記載は見当たりません。
自分でAIに質問するときの記録のしかた
AIに直接質問して確かめる場合は、結果を記録して定点観測にすると変化が分かります。質問は、見込み客が実際に使いそうな言葉で作ります。たとえば「〇〇市で土日に相談できる税理士事務所は?」「〇〇駅の近くで子ども連れでも入りやすいカフェは?」のように、地域・条件・目的を含めた質問です(いずれも例です)。
- 確認した日付と、使ったサービス名
- 質問文(毎回同じ文を使う)
- 自社が紹介されたか、どのように説明されたか
- 根拠として示されたURL(自社サイト、ビジネスプロフィール、ポータルサイトなど)
- 間違っていた情報と、その出どころと思われるページ
誤った情報が紹介されていたら、まず自社のホームページやビジネスプロフィール、掲載中のポータルサイトに古い情報が残っていないかを確認します。AIの回答そのものを直接書き換えることはできないため、元になる情報を直すことが基本です。
逆効果になりやすいAI検索対策と注意点
「AIに選ばれる」をうたう手法のなかには、検索エンジンのスパムポリシーや法律に触れるおそれがあるものもあります。Googleは2026年5月、スパムポリシーが生成AIの回答にも適用されることを明確にしました。次のような施策は避けてください。
地域名やキーワードを替えただけのページをAIで量産する
生成AIなどを使い、利用者への付加価値なく大量のページを作ることは、Googleのスパムポリシーで「大量生成されたコンテンツの不正使用」の例に挙げられています。
架空の口コミや体験談を載せる
利用者を欺くうえ、景品表示法上の問題(実際より著しく優良と誤認させる表示や、2023年10月1日から規制されているステルスマーケティング)になるおそれがあります。
人に見えない文字でキーワードを詰め込む
検索エンジンを操作する目的で、人には見えにくい形で文字を置く行為は、Googleのスパムポリシーの「隠しテキスト」に当たります。AI向けと称する場合も同じです。
画面と違う内容を構造化データに書く
表示していない評価や営業時間をJSON-LDだけに入れると、構造化データのガイドラインに反し、手動による対策の対象になり得ます。
不自然な言及やリンクを集める
Googleの生成AI機能向けのガイドは、本物ではない「言及」をウェブ上で集める施策は、思われているほど役に立たないとしています。順位操作を目的としたリンクの売買は、スパムポリシーのリンクスパムに当たります。
「AI掲載保証」をうたうツールを信じ込む
Googleは、サードパーティのツールがGoogle内部のランキングやAIのシステムにアクセスすることはできないと説明しています。提案の内容は公式資料と照らして判断してください。
AIで作ったホームページにありがちな失敗と直し方は、AIホームページ作成の失敗例と対処法にまとめています。
公開前と月1回に見直すAI検索対策チェックリスト
ここまでの内容を、公開前と月に1回の見直しで使えるように整理しました。上から順に確認すると、原因の切り分けがしやすくなります。
- robots.txtやサーバー・CDNの設定で、検索用クローラーを止めていない
- 学習用クローラーを止めるかどうかを、目的に合わせて決めている
- 重要なページにnoindexやnosnippetがなく、生成AI設定で除外していない
- 会社名、所在地、電話番号、営業時間、料金の目安を本文のテキストで書いている
- ホームページ、Googleビジネスプロフィール、SNSの事業者情報が一致している
- 構造化データが画面の表示と一致している
- 実際の問い合わせに多い質問へ、自社の一次情報で答えている
- 運営者情報と公開日・更新日を表示している
- XMLサイトマップを送信し、重要なページへ内部リンクでたどり着ける
- 表示状況を、公式レポートとAIへの質問で記録している
AI検索対策のよくある質問
SEOとAI検索対策(LLMO)は、別々に取り組む必要がありますか?
Googleについては、AI OverviewsとAIモードは通常の検索の仕組みが土台で、特別な最適化は不要とされています。ChatGPTなど他社のAI検索も、検索用クローラーがページを読めることが前提です。まずSEOの基本を整え、そのうえでクローラーの設定や事業者情報の一貫性を確認するのが効率的です。
対策してからChatGPTに紹介されるまで、どのくらいかかりますか?
決まった期間はありません。OpenAIは、robots.txtの変更が検索に反映されるまで約24時間かかるとしていますが、これは設定が反映されるまでの目安で、紹介されることを保証するものではありません。
GPTBotをブロックすると、ChatGPTの検索に出なくなりますか?
OpenAIの説明では、ChatGPT検索への表示に関わるのはOAI-SearchBotで、GPTBotは学習用です。GPTBotだけを止めてOAI-SearchBotを許可する設定もできます。ただし両方を許可している場合は、一方のクロール結果を両方の目的に使うことがあるとされています。
AIに間違った情報で紹介されたら、どうすればいいですか?
AIの回答を直接直すことはできないため、元になっている情報を確認します。自社のホームページ、Googleビジネスプロフィール、ポータルサイト、SNSに古い情報が残っていないかを調べ、同じ日にそろえて修正してください。回答の根拠として示されたURLがあれば、そのページから直します。
無料のホームページ作成ツールで作ったサイトでも対策できますか?
事業者情報や一次情報の追加はできます。robots.txtの編集や構造化データの追加は、サービスやプランによって制限がある場合があるため、公式ヘルプで確認してください。
口コミを増やせばAIに紹介されやすくなりますか?
Googleビジネスプロフィールのヘルプでは、ローカル検索の「知名度」はウェブ上の情報や口コミの数なども踏まえて判断されると説明されています。ただし、AIの回答での扱いは公表されていません。口コミは満足した顧客に公平にお願いし、特典と引き換えの高評価の依頼や自作自演はしないでください。
まとめ:「AIに紹介される」より「AIにも人にも正しく伝わる」サイトを作る
AI検索に紹介されることを保証する方法はありません。それでも、検索用クローラーが読める状態にし、事業者情報をホームページ・ビジネスプロフィール・SNSでそろえ、顧客の質問に一次情報で答えるページを用意すれば、「紹介されない理由」は減らせます。これらは、AI検索だけでなく、通常の検索や、ホームページを見た人の問い合わせにも役立つ取り組みです。
- 検索用と学習用のクローラーを分けて考え、検索用は止めない
- 事業者情報をテキストで書き、各所の情報と一致させる
- 構造化データは画面と同じ内容だけを入れる。AI専用のマークアップは不要
- 一般論ではなく、自社の業務から得た一次情報で質問に答える
- 公式レポートとAIへの質問で、定期的に確認する
ホームページをこれから作る、または作り直す場合の全体の流れは、AIでホームページを作る方法で確認できます。
参照した公式資料 / Google検索セントラル:AI機能とウェブサイト / Google検索セントラル:Google検索の生成AI機能向けにウェブサイトを最適化する / Google検索セントラル:有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成 / Google検索セントラル:生成AIによるコンテンツの使用に関するガイダンス / Google検索セントラル:ウェブ検索のスパムに関するポリシー / Google検索セントラル:組織(Organization)の構造化データ / Google検索セントラル:ローカルビジネス(LocalBusiness)の構造化データ / Google:一般的なクローラー(Google-Extendedを含む) / Search Consoleヘルプ:生成AIパフォーマンスレポート / Search Consoleヘルプ:検索の生成AI設定 / Googleビジネスプロフィール ヘルプ:ローカル検索結果のランキングを改善するヒント / Googleビジネスプロフィール ヘルプ:ビジネス プロフィールを編集する / Google Japan Blog:AIモードの日本語提供 / OpenAI:Overview of OpenAI Crawlers(OAI-SearchBot、GPTBot、ChatGPT-User) / Anthropic:Does Anthropic crawl data from the web, and how can site owners block the crawler? / Perplexity:Perplexity Crawlers / Microsoft Bing:Introducing AI Performance in Bing Webmaster Tools(Public Preview) / Microsoft Bing:New AI Visibility Insights in Bing Webmaster Tools / IndexNow:Documentation / llms.txt:The /llms.txt file(提案文書) / 総務省:令和8年版 情報通信白書(生成AIの利用状況) / さくらインターネット:ウェブサイトアクセス制御機能の提供開始 / 消費者庁:ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制 /
