サーバー移転は、7つの手順で進める。
サーバー移転は、新しい環境を先に完成させてから、最後に接続先を切り替える順で進めます。診断結果に表示される手順も、次の流れが基本です。
- 現在のDNSレコード・契約・ログイン情報を記録する
- ファイルとデータベースをバックアップし、復元できることを確認する
- 新環境へ複製し、表示・フォーム・管理画面・SSLを切替前に確認する
- 旧TTLが経過する時間を確保したうえで、TTLを短縮する
- 低アクセス時間帯に切り替え、新旧のアクセス・SSL・フォームを確認する
- 問題があれば旧接続先へ戻す。切替後に増えたデータは、上書きで失わないよう保全する
- 新環境の安定とメール・データを確認してから、旧契約を解約する
TTLは、DNSの応答をキャッシュしてよい時間です。切替の直前に短くしても、すでに旧値を長いTTLで取得したキャッシュには効きません。詳しくはTTLと「DNSの反映時間」で解説しています。
移転の難易度は、5つの条件で決まる。
診断では、移すものや現在の状態ごとに点数を加え、合計で難易度を決めます。点数と時間は編集部が定めた目安で、特定の事業者や環境での実績ではありません。
| 条件 | 加点 | 作業時間の加算 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| メールも移す | +2 | +2〜4時間 | メールの停止・取りこぼしが起きる恐れがあります。新旧のメールボックスを並行して確認します |
| ECサイト(注文・決済あり) | +3 | +3〜8時間 | 注文・決済・在庫の差分が出ます。更新を止めて最終同期を行います |
| ネームサーバーを変更する | +2 | +1〜2時間 | DNSゾーン全体とDNSSECの移行が必要です |
| ドメイン移管も行う | +1 | なし | Web切替とは別日程で行います |
| 復元テスト済みのバックアップがない | +2 | なし | 準備できるまで切替を始めません |
合計が5点以上なら「高」、2点以上なら「中」、それ未満は「低」です。メール・DNS・ドメイン移管・EC・バックアップのどれかが「未確認」のままだと、難易度は「要確認」となり、作業時間は算出しません。
作業時間は、小規模な1サイトを移行経験者が扱う場合の目安で、基本は2〜4時間です。DNSキャッシュの解消、メールの同期、ドメイン移管の待ち時間は含みません。容量・回線・事業者の条件でも変わります。
止まりやすいのは、メール・DNS・ドメイン移管。
メール
Webの切替だけでは、メールは移りません。メールも移す場合は、新しいメールボックスの作成、メールの移行、送受信テスト、MX・SPF・DKIM・DMARCの設定確認が必要です。Webだけを移す場合は、MXとTXTのレコードを維持し、Webの切替でメールの経路が変わらないようにします。
DNS
ネームサーバーを変更すると、A・AAAA・CNAMEだけでなく、MXやTXTを含むゾーン全体を移す必要があります。DNSSECを使っている場合は、その移行も必要です。レコードが欠けると、Webは表示できてもメールが届かない状態になります。Webだけの移転なら、既存のDNSを使い続けて対象のレコードだけを変更する方法も検討できます。変更の手順はDNSを安全に変更する手順にまとめています。
ドメイン移管
ドメインの移管、ネームサーバーの変更、Webサーバーの変更は、それぞれ別の作業です。同時に行うと、不具合の原因を切り分けにくくなります。そのため診断では、Webとメールが安定してから、ドメイン移管を別の工程として行う手順を案内します。移管の前に、移管資格・ロック・認証・有効期限を確認します。管理会社の移管とDNS切替の分け方は、ドメインの解説記事で確認できます。
よくある質問に、答えます。
移転中、サイトは止まりますか?
診断の手順は、新環境を先に完成させ、表示を確認してから接続先だけを切り替える順です。切替の瞬間までは、現在のサイトを動かしたまま準備できるので、ダウンタイム(停止時間)を短くしやすくなります。ただし、DNSのキャッシュが残る間は、利用者ごとに新旧どちらの環境へ届くかが異なります。この間に新旧へ分かれた注文や問い合わせは、切替後に保全して戻す必要があります。
「要確認」と表示されるのはなぜですか?
メール・DNS・ドメイン移管・EC・バックアップのいずれかを「未確認」のまま診断したためです。DNSの管理画面や契約情報を確認して条件を選び直すと、難易度と作業時間が表示されます。
移転すれば、表示は速くなりますか?
この診断は、移転の難易度と手順を確認するものです。移転によって表示が改善するかは判定しません。サーバー乗り換え効果診断では、HTTP応答と現在の困りごとから、改善策と移転候補を確認できます。
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